「悪いとわかっているならば、がんばってやめればいいじゃないか」
「やめられないのは、本人の心の弱さだ」「意志が弱いからだ」「根性が足りない」
…「依存症」あるいは依存症患者のことを、そんなふうに思ってはいませんか?
はじめにお伝えしておきます。それは大きな誤りです。
そしてその誤解こそが、依存症患者を回復から遠ざけてしまうのです。
依存症は「脳と心の病気」です。
依存対象は脳の中枢神経に作用し、脳内の神経伝達物質の働きを乱して、禁断症状、つまり依存対象が得られないとイライしたり不安や不眠に陥ったり、幻覚や妄想、手の震えなどを引き起こします。
これらは脳内で行われていることで、本人の意志で制御することはほとんど不可能です。
身体的にも精神的にも対象へ依存せざるを得なくなると、四六時中依存対象のことしか考えられず、ほかのことが手につかなくなって、生活のすべてを支配されていきます。
そしてそのまま進行すると、社会的な問題行動を起こすようになります。
たとえば、生活費を使い込んだり盗んだりしてでも依存対象を入手する、借金、対人関係のトラブルを起こしたり、仕事でも遅刻や欠勤、ミスが増える、そして家族との関係が悪化したり、家族を含めた他者への暴力を働くようになるケースも多くあります。
犯罪を犯し、逮捕されることもあれば、最悪の場合、耐え切れず自死を選ぶ人もいます。
依存症とは、それほど怖い病気なのです。
しかし逆に言えば「病気」だから「治療」することができる。
「治療」を施すことができるということは、つまり「回復」することができるのです。
「依存症」は「病気」であると正しくとらえること。これが回復の第一歩です。
依存症当事者はもちろん、ご家族も正しく理解し、回復への道を歩んでいただきたいと思います。
ワンネスグループはアルコールや薬物に代表される物質依存と、ギャンブルに代表されるプロセス依存を回復(依存を止めて生きること)支援する施設を運営していますが、単なる症状のみならず、そもそも依存症を引き起こす原因となった、本人の抱えている「生きづらさ」や心の問題、過去のトラウマなど、自分自身と向き合うことで根本的な解決を目指します。
特に日本ファミリーインタベンションセンターでは、家族へのインタベンション(介入)をしますので、物質依存やプロセス依存の影に隠れている、あるいは根本原因であるかもしれない家族間の人間関係依存(共依存)にもアプローチすることが可能です。
依存症は主に3つに分類されます。
最後にもう一度。
「依存症」は[治療]によって[回復]を目指すことのできる「病気」です。
私たちとともに依存症からの回復を目指し、当事者であるあなたも、また当事者をご家族に抱えるあなたも、自分らしい人生を取り戻しましょう。